しが農業女子100人プロジェクト 活動レポート
「女性醸造家 インタビュー」
テーマ(2) 「滋賀醸造のビールと食とのマッチングの可能性を探る」

井手口さんの一番好きなビールや、ビールにぴったりな食材の選び方、滋賀の食材とビールのペアリングについてお話を聞きました。

(しが農業女子)

私たちはビールに合うおつまみコンテストというのを今考えていて、醸造家の視点からいろいろお仕事のお話などを聞かせていただいたのですが、今度はビールと食べ物の合わせ方といったことで少し個人的な意見も含めてお話を聞きたいな、と思っています。

勉強のため仕事を含めて、いろいろとビールをいろいろ飲んでいると思うんですけど。

 

(井手口)

そうですね。今は、滋賀工場がクラフトビールを作っているので、ベルギーやアメリカなんかを飲める店に行ったら、あるものを飲んで勉強してるって感じですね。

 

(しが農業女子)

ビールにそれぞれ味がある。会社によってビールの味がタイプが違うって聞いたことがあるんですけど、私とかだとあまりわからなくて(笑)。

井手口さんがビールの中で一番好きな銘柄はありますか?

 

(井手口)

どうしよっかな?(笑)グランドキリンのホワイトエールは好きで、特徴的だと思っています。ホップの白ワインっぽい香りだったり、それを立たせるために味はちょっと抑え気味にして女の人でも飲みやすいように、というところが、お客様をよく想定して感がて作られている、という点がよくわかって好きです。

 

(しが農業女子)

学生の時から飲まれていたと思うんですけど、会社に入社して好みが変わったとか自分が携わることで愛着をもったようなことはありますか?

 

(井手口)

あります。会社に入って具体的な作り方を知ると、工夫されているところや苦労されているところが見えます。設計する時にこれを狙ったところがわかると愛着が湧くというか、好きになります。

学生の時は一番搾りばっかり飲んでました(笑)。今でももちろん好きなんですけど。

 

(しが農業女子)

シチュエーションとか季節とか、季節によっていろんなタイプ、ブランドが出てくることはCMとか見て知っていたんですけど、やはり全然違うものなのですね?

 

(井手口)

そうですね。グランドキリンシリーズなんかは、夏限定とか冬限定って出すことが多いです。例えば夏だとあまりくどくなくてさっぱりしたものをお出しする、そして冬だと香りが強くてゆっくり楽しんで飲めるという、狙いがあって出されることが多いかなと思います。

(しが農業女子)

おつまみコンテストを秋に開催するのですが、秋の食べ物にあったビールはありますか?

 

(井手口)

秋にオススメのビールですね。秋だと逆に何でもおいしいんですけど(笑)。食べ物との相性、秋においしい食べ物に合うビールは何だろう?みたいな探し方もあるかな、と思います。

例えば、でんぷん質で甘いさつまいもとかだと、甘さを殺さないように引き立てるようなスプリングバレーブルワリーに「アフターダーク」という黒いビールがあります。それは滋賀工場で作っていて、ちょっとコーヒーのような香りがしてコクがあり、甘いさつまいもとマッチするのかな、と思います。黒ビールなのでそこそこコクがあって、甘さと調和する苦味も持っています。

 

(しが農業女子)

苦味とか酸味とか、先ほどから好きなビールを表現される時にホップの香りとか、香りをすごい重要視されているな、と思いました。他にも味を判定する時にいくつか項目があると思うんですけど、教えていただけますか。

 

(井手口)

香りの部分だと、ホップ由来の香りなのか、他にも発酵で出てくる甘い香りもあるので、それらの種類の香りがきっちり出てるか。あとは麦芽の香ばしい香りがあるかどうか、といったまず香りを確かめます。味になると甘味、酸味、苦味、渋みも少し、そして、総合的な味の評価を行います。

次にビール特有だと思うんですけど、喉ごしというか炭酸感、炭酸ガス感です。これは難しいですけど、お客さんに届ける時にしっかり炭酸感があるかな、というのを判定しています。ざっくりですがこんな感じです。

(しが農業女子)

滋賀県ならではで食材や食文化でいろんな種類のビールと「これとこれが合うな」といったお好きな組み合わせはありますか?

 

(井手口)

私が滋賀に来たばかりの頃、道の駅に行っていろいろ買ったり食べたりするのが楽しみだったんですけど、滋賀のお魚でビワマスとか鮒寿司とか、あのお魚系がキリン一番搾りに意外と合うと思います。

普通のビールだと合わせるなら肉と言ったイメージが強いと思うんですけど。キリン一番搾りは旨味が強いのでお魚とでも負けない、お魚ととても相性がいいかな、と思います。

 

(しが農業女子)

鮒寿司食べるんですね。ヘェ~。

 

(井手口)

食べますよ。ふふふ(笑)。滋賀に来て初めて食べたんです。鮒寿司を作っている方が工場でいて、実家で作っているそうなんですけど、その人の鮒寿司はあまり臭くなくてめっちゃおいしくて、はまっちゃいました。

(しが農業女子)

鮒寿司は乳酸菌ですね。そして、ビールの酵母菌という組み合わせ。例えば、この菌とこの菌が仲良しといった相性はありますか?

 

(井手口)

あー、ごめんなさい。あんまり意識したことがない(笑)。でも。考えてみたら面白いかもしれないですね。酵母同士とか。味噌系とビール系でちょっと合うかな、なんて考えてみても面白いかもしれないですね。

 

(しが農業女子)

野菜を作ってても思うことなんですけど、私たちも野菜に対して「なんだか可愛いな」と思いながら作っているようなところがあって、それで頑張れるところもあります。

井手口さんも自分の作ったものに対して、やはり「可愛いな」とか「愛おしいな」いう思いはありますか?

 

(井手口)

ありますね!自分が設計して世に出て行くビールはもう子どもみたいに可愛い(笑)スーパーで並んでると前に出してみたり。嫁入りみたいってよく言われますけど、自分もそうなんだな、と思います。

(しが農業女子)

個人的に一緒に食べて欲しい食材の組み合わせは?

 

(井手口)

個人的な好みで言うと、先ほどもお話した「496」です。結構ホップの香りが立ってますし、麦の旨みもぎゅっと詰まっているので、意外と油のあるお肉だったり、他にもカレーや旨味がどんどん引き出されているものと組み合わせても負けない、意外と良い調和だと思います。スパイシーな料理でもいけるんじゃないかな、と思います。他のビールだとスプリングバレーブルワリーシリーズの山椒を使った「デイドリーム」という名前のビール。滋賀では作っていないんですけど、山椒のスパイシーな香りと燻製などのスモーキーな香り、そういう調和も楽しめます。

 

 

私は、青唐辛子を切って炒めてごま油で炒めた砂肝!みたいなのが大好きなんです。完全に居酒屋メニューです(笑)。それに合うビールでいうと旨味で負けないので、キリン一番搾りはもちろん、さっきのデイドリームって山椒のビールも、青唐辛子のスパイス感にも負けなくておいしそうだな、と思います。サラダも大好きなんですけど、生ハムサラダには、「草感」とホップが強いビール。グランドキリンのIPAとか、496とかホップが強いビールと野菜の香り、青い香りというのも調和するな、と最近思っています。

 

(しが農業女子)

草感?

 

(井手口)

そう、草感。草の青っぽい香りとホップの香りです。

他にもよく言われるのが、色と味。ビールの色とその食材の色で調和が見える、というのが面白いな、と思います。

 

(しが農業女子)

ヘェ~

 

(井手口)

例えば、ベリー系の華やかなビールがあるんですけど、赤い感じです。そのビールとフルーツ系の例えばトマトのサラダ、他にもフルーツ系のデザートとかとも合うのかな、とか。そういう見方も楽しいな、と思います。

それぞれにこのビールどうですか?って言われたら、このビールはこういう味だからこういう味との組み合わせが、って何通りでも出せると思います!

 

(しが農業女子)

ホップは作りたいな、と思ってますけど、ホップにもいろんな種類がありますね。

このホップが好き、みたいなのはありますか?

 

(井手口)

岩手県の遠野でホップを作られているんですけど、その遠野産のホップを使ってキリン一番搾りの「とれたてホップ」っていう期間限定のビールがあります。ホップの柄の入った緑色の缶の製品なんですが、遠野のホップを使っていて一番搾りの味を殺さずに柑きつ感だったり、ホップの青い香りがプラスされててあれは絶対買いますね、毎年!オススメです。

 

(しが農業女子)

ビールと食べ物というと味だけの組み合わせのイメージだったんですけど、色や使われている材料などで全く変わってくるんだな、というのが色々お話を伺っててすごくよくわかりました。

今からおつまみコンテストを私たちが進めていくことになりますが、チャレンジする応募者の方々に期待することとか、こんなことをポイントだよ、ということがあれば教えてもらえますか?

 

(井手口)

はい、若輩者ながら(笑)。

皆さんがいろんなお野菜とか、農作物を作られていると思うんですけど、子供みたいに可愛い農作物のこだわりみたいなのがよく見えるレシピで、そのお野菜などの食材に対して自信を持って主役にして作っていただければ、ビールとうまく合わせられるのではないか、と思います。ビールとの飲み合わせを考えるときに、実際に飲んで見て合うか合わないか、を五感で感じてみるのが一番納得がいきますし近道なのかな、と思います。農作物を実際に作って知っている方だからこそ、自信を持って作っていただきたいと思います。

(しが農業女子)

ありがとうございました!

では、ビールを飲みながらぜひまた交流会をやりましょう(笑)。

キリンビールの井手口さん、今日はありがとうございました!